牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

根府川通り #1 再訪

最近はまっている古道踏査のつながりで、以前踏査した根府川通り(日金道)を徹底的に再踏査することにした。行程が長いので、何回かに分けて、根府川の関所まで目指す予定。今日は、根府川通りのスタートとして、下田街道との分岐点から、軽井沢宿までを歩いた。公共交通機関が無いので、往復の歩きとなり久しぶりに長距離を歩いた。

下田街道分岐~岐れ道

大場郵便局近くのT字路で、右折して南に進む下田街道と分かれて、根府川通り(日金道)がスタートする。かつては、道標があったそうだ。
大場の光明寺の境内に移された十王堂内を参詣させていただく。以前の十王堂は、踏切近くの割烹付近にあったといわれている。
十王堂内部には、地蔵菩薩立像と石仏の十王像、他が祀られている。
閻魔大王地蔵菩薩の化身といわれる。日金山の地蔵信仰と密接に関係する。
他の十王も仏のそれぞれが仏の化身。
須弥壇の左側には五基の十王像、手前左端には奪衣婆もいる。
右側にも四基の十王が並ぶ。
門前には、唯念名号塔と三界万霊塔、六地蔵が並ぶ。
日金道に戻った角地に、高札場跡があったようだ。
日金道は、観音川を宮川橋で渡る。
八ツ溝用水の堰を右に見て進む。
来光川を渡る大土肥橋の西詰には、観音さんが祀られている。
橋を渡ると、道祖神が祀られている。
大土肥のかつての川の堆積層の露頭がまだ見られる。
伊豆山神社雷電社から勧請された雷電神社(祭神:火牟須比命)に立ち寄る。
境内手前に、馬頭観音群が祀られている。
社叢が伐採されてしまい、殺風景な境内。
折れた鳥居(享和二年)が、日金道の一の鳥居に相当する。
役場前の岐れ道(五差路)で日金道は、東に左折して、熱函道路に合流して進む。

岐れ道~天蚕

平井の坂に差し掛かり熱函道路がカーブした地点が、韮山往還が合流してくる根岸坂。以前は、手前に高札場があったようだ。
交通量の多い平井の宿通り
ここから、平井の集落内に立ち寄る。まずは、天地神社
社叢の中でも、ひときわ大きなクスノキ
更に不動尊まで寄り道する。
不動尊の堂内には、不動明王の木祠や塞ノ神の木祠なとが祀られている。
巨岩の間からの搾れ水が落ちる不動滝は細い水流ながら途切れることはない。
日金道に戻る途中の養徳寺にも立ち寄る。門前には、三界万霊塔と大きな地蔵などが立つ。
養徳寺の本堂に参詣させていただく。
左側の須弥壇に祀られている薬師如来(?)は、近くにあったといわれる薬師堂から移したものか?
ご本尊の十一面観音
右側の厨子には、何が祀られているのだろうか?
本堂右手には、[九想詩並序(因果応報図)]が掲げられている。
日金道に戻り、養徳寺背後のひょうたん山(前方後円墳)を望む。
野菜直売所(夏には平井のスイカ)あたりが[堂の前]のようだ。
カフェの前の生垣に、三基の石造物が祀られている。右像が道標[右あたみ 左ふなやま]を兼ねた道祖神。(かつては大竹~舟山に通じる道の分岐に置かれていたようだ。
道標から100m右手の石段を登った平場に、
馬頭観音群が祀られている。大きな木祠の中には、小さな木祠があるが、中は空っぽで分からない。
柿沢に下る車道の脇に、石祠が祀られている。山の神ではないか?
天蚕で、日金道は熱函道路から左に分かれて進む。

天蚕~軽井沢

下丹那への別れ道近くの五本松公園(草だらけ)が根府川通見取絵図に描かれている五本松といわれ、日金詣での休憩場所だったようだ。
鬢の沢の法伝寺:午後になって管理人さんと連絡が取れたので、帰路に堂内を案内してもらった。多謝!
内陣の須弥壇中央に祀られている延命地蔵菩薩立像
外陣の壁前面に掲げられている[極楽絵図]阿弥陀三尊手前の絵に深い意味があることを教えられた。
左の長押上には、地獄絵図の半分。白は、牡蠣殻を砕いた胡粉で剥げてきているそうだ。
右の長押上にも、地獄絵図の半分で、閻魔大王と十王の地獄が描かれている。研究者によると、養徳寺の因果応報図と同じ時代に描かれているとのこと。かつては、因果応報図も法伝寺に掲げられていた可能性も指摘されているそうだ。
境内左手に、石仏群が祀られている。根府川通見取絵図では、この地には阿弥陀堂といくつかの庵があったようだ。
法伝寺近くに、木祠が祀られている。
鬢の沢の東はずれで、道は左に折れる。ここが、丹那断層で分断されたB地点となる。
B地点から300mほどで、丹那盆地からの道が合流する追分となる。
源橋を渡ると、軽井沢の宿通り。車道の熱海街道は、突き当りで左折するが、日金道は弦巻山に向かって直進する。
軽井沢公民館前に、正岡子規の句碑が立つ。子規は根府川通りで山越えする前に、軽井沢に一泊した。
道が左に折れる手前、民家の塀に小さな祭場を設けて、双体道祖神が祀られている。
弦巻山への古道の入口当たりに、毘沙門堂があったようだ。
今日のゴールは、石造物群が祀られているこの地点とする。

おまけ

せっかくなので、軽井沢集落の名所を辿る。まずは、雷電神社から。
石段を登ると、新しく建て替えられた本殿が建つ。
本殿背後には柿沢川の崖があり、遅い紅葉が見られる。
境内で昼食を済ませ、熱海街道に戻ると、崖上に二基の馬頭観音が祀られている。
駒形堂入口に地蔵をあしらったモニュメントがある。何かな?
駒形堂への坂途中の大木の根元に、地蔵さんが守る。
坂上の平場(奥は墓地)に、かつては日金道にあった駒形堂が再建された。
堂内には、駒形と馬頭観音などが祀られている。
道を戻ると、泉龍寺手前に、日金道の丁石[一丁]が残る。ここから軽井沢峠まで、二十八丁あることが分かる。
泉竜寺にも立ち寄る。
山門手前のお堂に、六地蔵が祀られている。
境内右手に、かつては日金道の登り口にあった毘沙門堂がある。以前の茅葺のお堂は、新しく再建された。
毘沙門堂の奥には、極彩色の仏像が垣間見える。毘沙門天像だろう?
本堂右手には、化け猫伝説の元となった猫塚が残る。

大場~軽井沢への往復の約23kmを、7時間かけて歩いた。日金道#1(片道)のNETは9.5km (3時間半)

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