世界かんがい施設遺産に登録された本宿用水の流路を示す地図が手に入ったので、歩いて流路を確認してみた。現在では、住宅地が広がって、田畑が縮小したので、灌漑用水の水利がピンとこない。
新井堰
鮎壺の滝の左岸上流に新井堰を設けて、黄瀬川から取水する本宿用水の始まり
左に取水口が見える。
住宅地の地下を隧道で用水を通している。ここからしばらくは、約500mの隧道と暗渠を流れる。隧道は、甲州流水利法を駆使して、1603年に本宿用水が完成した。(老朽化のため、平成2年と10年に改修された。)67年後に造られた深良用水の手本として活かされたそうだ。
新井堰から隧道までの用水路途中から、少しだけ公園側に分流している。
分流した水路は公園内を流れ
少し行ったところで、黄瀬川に還流する。
本宿用水の実査マップ
実査して確認した本宿用水(総延長約2km)のルートをGoogleMyMapsに青色の線でプロットした。(橙色の線は、広報ながいずみに掲載されている地図から拾ったルート)
本宿用水の3D地形図
赤色の線: 実査ルート 青色の線: 広報ながいずみに掲載されている用水のルート
背景地形図は、Virtual Shizuoka の点群データ LPを使用
軌道線・道路縁・建築物・水域は、黒土地理院の基盤地図情報を使用
背景地形図は、Virtual Shizuoka の点群データ LPを使用
軌道線・道路縁・建築物・水域は、黒土地理院の基盤地図情報を使用
隧道・暗渠~新幹線
隧道は延長約500mなので、協和キリンの事業所の地下を通り、事業所の北西端で暗渠から顔を出す。
このグレーチングの下を用水が流れている。
しばらく、住宅地と本宿公園の傍を開渠で流れてから
、新幹線の下を流れる。
新幹線~県道87号線
新幹線を通過すると、途中から暗渠となり、すぐに西に折れる。
新幹線の南側を西に暗渠で流れる。
薬局付近で、県道を暗渠で渡る。このあたりが本宿の中心地か?
県道を渡ると、開渠となり、少しだけ東に流れる。
県道87号線~御殿場線
県道87号線を東に渡り、細い道を南に進み、用水(いずれも暗渠)は二手に分流する。分岐を直進する用水を辿った。
途中で、道路の右側に流れを変えて開渠となる。
御殿場線~東海道線
こんどは、暗渠となって東海道線を通過する。
東海道線~黄瀬川
暗渠となった用水は、工場の西端を進み、
黄瀬川の高い堤防にぶつかる。
黄瀬川に設けられた排水口から本宿用水が流れ込む。
すぐには黄瀬川の本流と合流しないで、南東に200mほど流れる。
合流点は草木に阻まれて目視出来ないが、このあたりで合流している。
黄瀬川の東には久保田川が流れるが、長泉の田畑より低い場所を流れるので、灌漑には不向きであった。