天候の良い日を狙って、古道の踏査に邁進している。今日は、日金道の熱海側からのルート(一部が石仏の道)を踏査する。
根府川通り分岐~土沢
明水神社の四面塔の確認。石造物群の右端・二つ目・三つ目のいずれも四面塔に見えてしまう。右端像[是従🔲🔲🔲🔲・安永四🔲・🔲🔲供養塔]
右から二つ目は道標[みしまかいどう・ひがねみち]
右から二つ目は道標[みしまかいどう・ひがねみち]

右から三つ目像:地蔵の下部の四面塔(日金道の起点仏)に[従・熱海十町・日金道四十町・天明二年・🔲🔲童子・🔲如童女]と刻まれている。かつては、土沢の地蔵堂に祀られていたが、明水神社に移された。天明二年に四面塔が建立されて以降、日金山までの四十町の参道に、一町(60間=109m)ごとに石仏が順次寄進されたそうだ。

明水神社の後ろの辻から北へ登るのが、日金道。軽井沢峠への北西の道と分かれる。

急坂に沿って流れる小川のフェンスをへこませて、丁仏[一丁](坐像)が祀られる。熱海ルートの起点のようだ。地蔵の台座に、[一丁🔲]と刻まれる。

丁仏-1から100mほどに、丁仏[二丁](立像)が祀られる。

T字路に[石仏の道]の案内板が二つあるが、直進する。

日金道が左にカーブする地点に、[みそぎの滝社]があるので、立ち寄る。

小川沿いの小径に、[🔲🔲大神]と刻んだ石碑が数多く建てられている。行き止まりに鳥居があり、大きな石碑が立つが、滝は見当たらない。

頼朝が日金山や伊豆山への参詣の際に、みそぎをした場所とされるが、小川の中の落差がある水流がその場所か?

みそぎの滝社前を左に進む。

Y字路は、左の急坂を登る。

急傾斜の道を、ゆっくりと登る。

四辻は直進して登る。左折すると、姫の沢公園。

四辻の東に、日金道を外れて、丁仏[十丁](立像)がある。丁仏-3~9は見当たらなかった。笹良ヶ台町のほうに分散しているのか?

土沢の住宅地の南端を地図に無い道を辿ると、車道は途絶えて、ヤブとなるが、これが日金道のようで、左に手すりのある階段がやぶの中に見える。

階段も草に覆われるヤブ道を進む。

ヤブを抜けて、踊り場に出る。ここまでの迂回路はあるが、まだヤブ道は残る。

踊り場の左端に、階段が見えるので、きつくないヤブ道を登る。

しばらくすると、やぶ道は終わり、茅に覆われた石仏の道が現れた。

石仏の道~東光寺
日金山の尾根道に石仏の道が伸びる。すぐに丁仏[二十町](立像)が立つ。(丁仏-11~丁仏-19は見つからない)

60mほどで、丁仏[二十一🔲](立像)がある。蓮華座は失われたか?

丁仏[二十二丁](立像)

カヤトの尾根道に入ると、丁仏[二十三🔲](輪王坐)。錫杖と宝珠を持ち、輪王坐で座る。

丁仏[二十四🔲](坐像)

丁仏[二十五🔲](立像)

台座だけ残る丁仏[二十六町](台座のみ)

丁仏[二十八町](立像)(丁仏-27は見つからない)

丁仏[二十九町](立像)

岩戸山への稜線が見えてきた。

台座しか無い丁仏-30[三十町](台座のみ)

丁仏[三十一町](立像)

丁仏[三十二町](立像)

丁仏[三十三町](立像)

丁仏[三十三町](台座のみ) 先ほどの丁仏-33との関係は?

丁仏[三十四🔲](台座のみ)

岩戸山への分岐。日金道は左を進む。

分岐に丁仏[三十五🔲](立像)が立つ。

日金山への尾根道は、潅木のトンネルを進む。

丁仏[三十六町目](台座のみ)

尾根道の上の平場に、末代上人の宝篋印塔が祀られている。

宝篋印塔に、[末代上人塔]と刻まれている。

上人の宝篋印塔近くに、石仏群が祀られている。

右端に、丁仏[三十七](地蔵は欠けている)

丁仏[三十八町目](台座のみ)

丁仏[三十九丁](台座のみ)

丁仏[四十一🔲](丸刳・浮彫)丸刳した円の中に浮彫を浮き彫りする様式は、湯河原ルートに多くみられるので、こちらも湯河原側で建立したものであろう。(丁仏-40は見当たらない。)

尾根の鞍部に木橋が掛けられている。三途の川を安全に渡すためか?

丁仏[四十二丁](丸刳・浮彫)

石段の手前に、道標[日金山頂上](上部に坐像の地蔵)が坐す。

境内右手のヤブに、丁仏らしい石仏が隠れている。これが、東光寺境内にあるという丁仏-1か?

日金山・東光寺に到着。巡拝の無事を感謝する。

本堂手前左手に、丁仏[十八丁](坐像)が祀られている。(こちらは、軽井沢ルートの丁仏のようだ)

前回に確認できなかった、日金の三仙人の宝篋印塔を探す。左手の塚上に、金地仙人の宝篋印塔

中央の塚上に、松葉仙人の宝篋印塔

右手の塚上に、木生仙人の宝篋印塔があった。

霊園に向かう道の途中に、軽井沢ルートの丁仏[十六🔲](坐像)が坐す。

霊園から東光寺に降りる道の入口に三基の石造物が低木に隠れていた。枝を剪定して、文字が見えるようにした。左端:[みぎ ゆがわら・ひだり十国はこね・みち]と刻まれた道標

中像:摩滅しているが、上半分が丸刳・浮彫の地蔵坐像で、下半分に[十五]の文字がかすかに浮かぶので、これが丁仏-15だろう。

右像:上が欠けているが、[🔲🔲山・あたみ・根町]などの文字が見えるので、道標か?

おまけ
東光寺からの復路は、熱海峠からバスで熱海駅に戻る。せっかくなので、久しぶりに十国峠に寄ってみる。霊園からの坂道途中に、実朝の歌碑は残っていた。[箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波のよるみゆ]

芝生広場には、駐車場・電気・ガス・水道を完備したグランピングの施設が埋め尽くされて景色は様変わりしてしまった。

富士山と箱根連山もくっきりと見える。










