静岡地学会のM先生にお願いして、先日観察した露頭のテフラの見つけ方を教えてもらいました。地学会−2名、ジオガイド−1名、農業従事者−1名で、夏至の日の午後目いっぱい、北伊豆周辺の露頭で富士黒土層と三島パミスを観察。ローム層の基本とテフラの見分け方が少し理解できたので、他の露頭でも応用できたら楽しいな。
右の画像に、テフラについての聞きかじりを自分なりに付け加えてみました。
- 愛鷹東南麓・北小林の露頭
国産電機前の畑 | 富士黒土層(FB):降り積もった火山灰もしくは、土ぼこりで二次堆積した火山灰に温暖期には植物が茂り、枯れた植物が腐食して長い時間をかけて黒色のボクボクした土となる。黒土層の下のローム層は気候が冷涼な時代に降り積もった火山灰に植物が茂らなかったので腐食していない |
上の畑の南側の露頭は少し切り立っている | 黒土層の上の層は温暖期だが腐植は進まなくて栗色に留まっている。 黒土層の下には厚い中部ローム層があるが、その最上層が休場層(休場遺跡に見られる地層で、旧石器を出土する) |
国産電機の少し上の更地 | 崖面が切り立っているので良く見える。富士黒土層の上は人工的に削られている |
農家が客土として採掘しているので、いつも新鮮 | 表層の下の黒い帯が富士黒土層 |
縦筋はユンボのひっかき跡 | 第3スコリア層(約2万7千年前の富士火山噴出物) その下の日本の帯のいずれかが第4スコリア層 この露頭の最下層には中部ローム層(約4〜6万年前)三島パミスは地下に隠れているのだろう |
中部ローム層に見える穴は、 | 生痕化石の穴で、中部ローム層の特徴です |
- 笹原山中バイパス工事現場の露頭
オレンジ色の帯は三島パミスと確認 | 三島パミスの上の茶色のテフラが、第3スコリア層(富士山からの降下物だが、愛鷹山麓に比べると層は薄い)三島パミスが含まれる上部ローム層の下には、中部ローム層 |
上の面の下部 | 中部ローム層の中にある軽石層は、箱根新規軽石流が侵食されて残った不整合面 |
トンネル工事現場の東露頭(作業は終わっていたので、また観察させてもらった) | 上段にオレンジ色の三島パミス 三島パミスを含む上部層の左側は浸食された谷が土石流が堆積した不整合面が見える その下段の上部に箱根新規軽石流の浸食された残り 下部ローム層の最下部には、もっと古い土石流の層が見える |
トンネル工事現場の西露頭 | 三島パミスの上に見える二本の黒いテフラは何か? |
中部ローム層 | 生痕化石の穴がしみ込んだ粘土で埋まっていることもある。ほじると穴が開く |
- 大土肥の露頭
雷電神社の台地の崖 | 中央には生痕化石が見える中部ローム層が厚く堆積 その上にかすかなオレンジ色のスポットが三島パミス 中部ローム層の下の砂礫層は、箱根新規軽石流が侵食されて流れてきて二次堆積した縞々が確認できる |
上の露頭の西壁面 | 中部ローム層中に三島パミスの帯 |
テフラ観察終了後、軽井沢の神代杉を観察しました。色々な人のつながりが確認できた素晴らしい半日でした。