牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

一色野外講習会

一色町内会他の主催によるジオ野外講習会に参加しました。曇り空の下、90名もの参加者で大盛況でした。地域住民の方の理解を得て、素晴らしい観察会ができたことを感謝します。多くの人がジオに興味を持っていて、ジオパーク推進の機運が高まっているなと感じました。函南町でも、頑張らなきゃ。

  • 仁科層群の枕状溶岩の露頭

西伊豆町の仁科川流域には、伊豆半島でもっとも古い地層で仁科層群と呼ばれる地層群が分布しています。今を去ること2000万年前、この地域がはるか南の海底にあった頃、海底噴火によって流れ出した粘り気の少ない溶岩が、海水に触れて、歯磨きチューブから出した練り歯磨きのように冷え固まりました。ひとつが固まった後から、次のチューブが押し出され、枕を積み重ねたように見えることから、枕状溶岩と呼ばれています。

枕の積み重なりが分かりますか?冷え固まった直後は黒色だが、海底の温水で緑色に変成したとのとこ近くには、枕状溶岩帯を下からマグマが突き破った帯(貫入岩体)が見えます。岩体が貫入することで、地震が1回発生したそうです。


近くの沢には、枕状溶岩が崩れ落ちたものが。側面の濃い緑色をした部分が、急冷相といわれ、急に冷やされた面

枕状溶岩のもうひとつの特徴にガスホールがあります。良く見ると表面に色の違う小粒の部分があります。これは、海底で溶岩内に閉じ込められた水がその後に気化して抜けた後に、鉱物がしみ込んで固まったものです
一色町では、一色枕状溶岩クッキーを試作して販売しています。先に食べてしまい写真でお見せできませんが、おいしかったです。


  • 化石

神奈川地学会会長であり、化石の権威である門田先生から、化石について分かりやすいレクチャーを受けました。
仁科地域には、伊豆半島でもっとも古い仁科層群から、湯ヶ島層群、白浜層群が見られる唯一のジオサイトです。この内、化石が出るのは湯ヶ島層群と白浜層群です。このことから地層を知らないで、闇雲に化石を探しても無駄です。

    1. 仁科層群(約2000〜1500万年前):海底火山の造山活動でできた玄武岩で、非常に硬い。近くの大規模採石場で今も砕石されています。
    2. 湯ヶ島層群(約1500〜500万年前):熱帯気候の海底にあり、サンゴ礁が存在した。石灰岩が主体で、サンゴなどの化石が含まれる。伊豆半島では、オウムガイの化石が3個ほど見つかり、しかもそれが熱帯で生息するオウムガイであることから、この地域がはるか南の海にあったことを雄弁に物語っています。湯ヶ島層群には、金などの鉱物鉱床も含むものがあります。
    3. 白浜層群(約500〜200万年前):本州への衝突前で、浅い海底での生物の化石などを多く含む。

先生等がこの地域などで発見した大変珍しい化石をいくつも展示してくれました。素人から見ても化石であることが分かる素晴らしいものです。実物は、地球博物館で見れるそうです。また地球の生い立ちも展示されていますので、ぜひ行きましょう。

  • 化石探索

基礎知識を受けたうえで近くの沢に入って、仁科層群・湯ヶ島層群・白浜層群を確認するとともに、化石を探索しました。

qshiroには見つかれませんでしたが、感の良い人はいくつか見つけていました。表面に、貝殻のようなものがいくつも見えますこれは以前に採取した物らしい


沢登はこの滝まで

この上にもステキなものが待っているようなので、暖かくなってから再訪したいものです。

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