牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

蛭ヶ谷の田遊び

牧之原市の蛭ヶ谷にある蛭子神社で、三年ぶりに田遊びが奉納されるので、夕方から出かけた。

祭りの準備

奉納の主役と消防団・地域の人たちが集まり、社殿内で矢納めの儀が執り行われる。
境内に積まれたお篝の四方を神職がお払いをする。

6時半に点火される。
燃え上がる炎が大きいので、しばらくは何もできない。神社を囲む樹々には、消防団が放水により、延焼しないようにしてある。

一番:ほた引き

”ほた”とは豊田のこと。綾笠をかぶった舞人が輪の中に立ち、若者が長い綱をもって、ほた引きが行われる。綱には、ほた小僧という杉の束でこさえた人形が結わえられている。
舞人の合図で、一斉に綱を回して、近隣の神社の神々を招く。

二番:里田打ち

田に見立てた樽を、鋤に見立てた若竹を打ち下ろす。大人と子供の輪ができる。
竹が割れたら、新しいものに替えてたたく。すべての竹が割れたら、終わりで、火にくべられる。

三番:本刀振り

綾笠(白い紙垂がたくさんつけられた被り物)をかぶって、茶の着物に縦縞の袴姿の舞人が、刀を持って四方に舞い、結界を施す。
囃子も無く、淡々と舞い踊る。

火の傍は熱いが、熱さを恐れずに舞う。
途中から舞人がもどきに交代して、四番となるが、区別がつかなくなった。

五番:長本刀振り

薙刀を持った舞人が、本刀と同じように舞う。
上に振りかぶったり

振り上げて、見栄をきる。ここがシャッターチャンスとの声が聞こえる。
カラス飛びで、地面に横たえた薙刀を、最後の力を振り絞って飛び越える。


途中から、舞人が変わって、木刀に持ち替えたもどきが、六番[木長刀振り]を舞うが、区別がつかなかった。

七番:杵振り

男根を意味する杵に持ち替えて、同様に四方に結界を施す。
篝火を背景に、杵で見栄を切る。

側転で地面に置いた杵を飛び越える。
向きを変えて

九番:田打ち

綾笠をつけた三人の舞人が、クワをかついで神殿前に進む。
祝詞を唱えて、クワで田に見立てた石段を耕す所作をする。

田打ちの途中、昼飯を摂る。高盛飯を出されて喜ぶ。
それぞれの昼飯が用意されて食べる所作をする。

酒をふるまわれて、サンバイ・サンバイと言って酒盛りが始まる。
このあと、延々と話がはずんでいるようだ。火を背にして、さぞかし熱いだろう。そういえば、篝火のせいで全然寒さを感じない。むしろ、瞼を閉じると厚くなっているのが感じられる。

十番(?):牛ほめ

親方と徳長が、牛に見立てた舞人の背中に鞍餅を載せて、牛をほめる。

十一番:鳥の口 ~ 十二番: 御草押し

鳥の口で、苗代に種まきする
御草(杉束)を左右に振る。

十三番:麦つき

桶を臼に見立てて、二人で刈り取った麦の穂を杵で搗く所作を行う。

十四番:麦洗い(魚釣り)

孕女が川で麦を洗っていると、二人の殿がやってきて西宮大神宮への懸け魚(?)を釣る。

十五番:田植え

親方と孕女らが、杉の葉を早苗に見立てて、肩越しに投げて田植えを行う。
子守役は、杉束でこさえたほた小僧の人形をおんぶしている。

十六番:稲刈り

親方との徳長の三人が神殿前に進み
鎌で稲を刈る所作をします。

番外:ほた小僧

お田植え神事が終了すると、社殿横の桜の幹に、ほた小僧がほた引きの縄で結わえられます。
稲霊が依りつく桜の樹に返されました。春に桜の咲き具合で、稲の作柄を占うそうです。

午後10時にすべての神事が終了しました。お疲れさまでした。撮影させていただき、ありがとうございます。

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