牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

新倉断層と雨畑硯石

久しぶりに山梨に遠出して、糸魚川・静岡構造線の近くで汗をかいてきた。エルニーニョのお蔭で、路面凍結の心配も無く、早川町の山深い所で一日を過ごした。

  • 新倉断層

糸魚川・静岡構造線の逆断層が右から走る。断層の東側の平滑面が断層鏡肌か?断層の東側には、1700〜1500万年前に海底に噴出した安山岩の凝灰角礫岩や火山角礫岩(フォッサマグナ


断層の西側は、2500万年前に海底に堆積した砂岩と泥岩からなる四万十帯の地層。泥岩は地下で断層に圧縮されて、粘板岩に変化している川床にも瀬戸川層群の砂岩泥岩互層が露頭


対岸の瀬戸川層群(四万十帯)は、危険なので近くに寄れないがこちら側には粘板岩(スレート)が綺麗に露頭している


新倉断層の西側の崖には、少なくとも五段に見える”内河内滝”が対岸から見える断層の北東側には、田代の滝がファッサマグナ帯の崖を落ちる



新倉断層から南にある発電所の対岸にも断層が見られるという(奥は新倉断層)河原に降りて探してみるが、探す場所が違うのか、見方が悪いので断層らしきものが見つからない(ほとんど瀬戸川層群のによに見える)


田代川第一発電所のダム(他にも揚水式の発電所がふたつある)緑色した露頭は、瀬戸川層群の一部が変色した緑色岩階段式の魚道が設けてあるので、上流にも魚がいるだろう



  • 雨畑の硯石

雨畑ダムのほとりにある硯匠庵では、硯学できる。近くの採掘抗で採れる頁岩から高級な硯が生まれる(予約すれば、坑道に入れるとの耳寄りな情報も) 瀬戸川層群の砂岩泥岩互層の中の泥岩が、糸魚川・静岡構造線の大断層の圧迫により、泥岩が頁岩に変成されたものと考えられている硯を使うこともないし、なにより高価なので、小さな文鎮を求めるにとどめた。雨畑の硯は、表面が細かいヤスリのように、再結晶鉱物が晶出し、特に白雲母が多量に含まれているので、長持ちする


上流にある見神の滝(落差70m)まで足を延ばした。瀬戸川層群の砂泥互層が直立して、右側の岩盤はクリープを生じている滝の中間に光る帯を、金と見て何人かの若者が取ろうとしたが、全て失敗したという伝説がある。砂泥互層の間に入り込んだ石英が析出したのか?


滝の右側の崖は粘板岩がクリープを起こしている。断層の圧力で屈曲したのだろうその露頭を穿って、不動明王が安置されている



南部町の集落では、小正月の準備としてヤナギと呼ばれる飾りが立っていた隣の集落は、道祖神の傍でやる



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