牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

大沢崩れ 巡検

静岡県地学会富士地区の巡検に参加して、大沢崩れを観察してきた。今年は4回も大沢崩れを訪ねたことになる。
大沢川は、山頂近くの源頭部から始まり、峡谷部(下端に大滝がある)・中流部・岩樋部・扇状地(遊砂地)と続き、そのあとは潤井川となる。

  • 大沢川遊砂地

富士砂防事務所の職員に案内してもらい、不断は入れない遊砂地の役目や構造を説明してもらった。快晴で富士山もバッチリ。黄葉・紅葉も間に合いました。

大沢川遊砂地は広い扇状地下流側の第五上流床固工から上流の第九号床固工まで見え、源頭に至る第五上流床固工の3連ブロック群(土石流を安全に堆積させ、下流への土砂移動を防止する)


第8号床固工のブロック群 土石流が満杯だが、予算がつかないので排除することができない。堆積した土砂(スコリアと溶岩礫)はふるい分けて、破砕するなどして、海岸の養浜材や道路の盛り土などの公共事業に使われる第8号床固工から見る大沢川上流




遊砂地の下で、ウサ博士らしき人が富士山方面の写真を撮っているのを見かけた。車に相乗りしていたので、停められなかったが。

  • 岩樋

大沢遊砂地の上流には溶岩流が埋めた谷を浸食した岩樋と呼ばれる流路がある。岩樋の下流端には土石流を検出する計測器やカメラが設置されている。平成12年の土石流で測量橋の土台が流された岩樋の上流部(標高900m)ここから上部が岩樋と呼ばれる溶岩流の細い谷


岩樋の上流端(標高1200m)に移動して、上流端の溶岩流を観察。土石流に削られた痕が見える岩樋上流端から中流側を見る。溶岩流は、土石流に覆われて見えない


更に上流の行けるところまで行って、源頭部を見上げる。200年後には、山頂近くまで浸食されると推定される。約1000年前から崩壊が発生し、今までに約7500万立方メートルもの土石流が流れたと推定されている。


一部、最後の紅葉が楽しめた工事の人しか訪れることが無い静かな森



  • 大沢の大滝

営林署の特別許可により、林道に入り、車の腹がつきそうな林道を延々と乗り継いでたどり着いた標高1500m地点から、大沢川の峡谷部と源頭部を見上げる峡谷部の下流端に白く見えるのが、溶岩流が侵食された大滝 水は流れていない。滝は土石流や雪代により、徐々に後退している



牛歩的写真中心網録”