牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

函南ジオサイトのハテナ解消しました

函南ジオサイトに関する疑問を、鈴木主任研究員に問合せして解消できました。

はてな−1: 玄岳の下にある【氷が池】はどのようにしてできたのでしょうか?? 火口湖、陥没したカルデラ湖、土石流でせきとめられた池などが思いつきますが。

鈴木主任研究員の回答
氷が池は断層でできた湖です。丹那断層の中にできている大沢池と同じで、断層の谷の中に水がたまって、池になっています。氷が池の向きは、丹那断層とは全然向きが違うと思われるかもしれません。丹那断層はフィリピン海プレートが伊豆を押していることによってできている左横ずれ断層です。

一方で、横ずれ断層ができるときには、しばしば「左ずれ」と「右ずれ」の両方ができます。このような対になった断層を共役断層といいます。

今回は丹那断層を動かす力としてフィリピン海プレートの押しだけを考えましたが、それだけでは丹那断層のずれの量を説明できないことが分かっています。丹那断層のずれの大きさには伊豆東部火山群の活動もかかわっているのですが、今回は簡単のため省略します。


はてな−2: 湯河原火山・多賀火山・宇佐美火山は陸上の大型複成火山として、同時期に噴火したものですが、それらの山を結ぶ稜線はどうやって形成されたのか分かりません。十国峠(丸山)、滝知山などは、湯河原火山と多賀火山の斜面が重なり合って、稜線になったのか、それとも火山列があって小さい火山の名残なのでしょうか??

鈴木主任研究員の回答
湯河原火山・多賀火山・宇佐美火山の相模湾側に面した側(東側)は浸食によって大きく失われています。かつての山頂(噴火の中心)も浸食されていると考えられています。そのため、現在の稜線(スカイラインが走っているところ)は、かつての火山の中腹部分にあたると思われます。

南北に並んだ火山があったとき、山頂が残っていればわかりやすいのですが、山腹より下しか残されていない場合には、どの火山の斜面なのかは、地形だけではわかりにくくなってしまうはずです。

たとえば那須火山群( http://bit.ly/w3oiHm )これも南北に並んだ火山です。山頂が残っているため、各火山がどこなのかわかりますが、中腹よりも下の地形だけに着目すると、火山を区別するのは難しいです。湯河原火山と多賀火山の斜面が重なり合って、稜線になった」ということでOKです。

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