かんなみジオ研の第二回巡検は、涼しい富士山の北西麓に出かけた。天候にも恵まれ、快適で楽しい巡検となった。
- 陣馬の滝
芝川支流の五斗目木川(ごとめき)が浸食した、芝川溶岩流の崖。下部の田貫湖岩屑雪崩の泥流堆積層との透き間から、伏流水が湧く | 泥流堆積層は古富士火山の山体崩壊の土砂(角の取れた礫も含む) |
泥流堆積層の上には、赤いローム層が挟まれる。芝川溶岩が来る前に、一時的に湖沼の底に堆積したローム層 | |
源頼朝が富士山の麓で巻狩りを催した際に滝の近くで一夜の陣を敷いた。それから陣馬の滝と呼ばれるようになった。近くの遠照寺にある太鼓石は、この滝壺で頼朝の家来が見つけた溶岩樹型 |
- 精進湖ギャオ
せのうみを分断した貞観噴火の溶岩ローブが膨張して、開口した。ギャオ(アイスランド語で割れ目)と呼ぼう。 | 白く見える横筋は珪藻か? |
溶岩流の割れ目にあちこちにある蕎麦ボウロ状の物体。 | |
ネットで調べると、古墳時代に釣りに使われていた土錘とよく似ている。でも貞観噴火(AD864-868)以前のものであるはずはない。最近も使われているのか? ミステリーですね。 |
- ジラゴンノ 溶岩末端崖
道の駅南の運動場の周囲に押し寄せた青木ヶ原溶岩の末端崖(溶岩プレートを採石した跡?)溶岩樹型の半分が露頭している。生木に含まれている水分が高熱で水蒸気となり、上に噴出する際に、溶岩樹型の周りをめくりあげて、ヒダヒダができた? | 大室山のスコリア堆積層(3ka)を覆う青木ヶ原溶岩流(1.1ka) |
クリンカーの上が溶岩流の第一波で先に冷えてくる。溶岩流の中はまだ熱いので、第一波の下に潜り込んで流れて、第一波との間にクリンカーを造る。 | 末端崖の前は、どこからの採石の堆積場になっているが、工事現場の人に断って、観察する。 |
- 鳴沢 溶岩樹型群
青木ヶ原溶岩流の末端部に広がる溶岩樹型群(12個)の1番の井戸型溶岩樹型 | 第4溶岩樹形は、直径2mほどの大きな井戸型 |
- 西湖 こうもり穴
こうもり穴は西湖に近い青木ヶ原樹海の中にある。小さな溶岩鍾乳石が見えるので、溶岩トンネル | 床面には縄状溶岩、横には溶岩棚も見える |
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溶岩トンネル中の壁には、白い珪藻土の線がある。溶岩トンネルができた後に、せのうみの水が入り込んで、珪藻が増殖した跡 | |
ここのトンネルは、溶岩流が流れ抜けてできたものではなく、せのうみに到達した溶岩流が、大量の水と触れて、水蒸気が溶岩流の中を走り回って、複雑な形状のトンネルとなっている |