平井のひょうたん山古墳(不動堂古墳)の発掘調査の見学会に合わせて、美術館の顧問先生が発掘調査に携わった向山古墳群の研修を実施。美術館ガイドの有志が参加してくれた。
- 向山古墳群
平成16年に偶然発見された16号墳の前方後円墳。国の調査が待たれる。 | 14号墳から古墳群を眺める。この地域を治めていた首長達の墓を、領有する田畑が見える高台(田畑からも見えるように高く)の尾根筋に造った古墳群。14号墳の円墳頂部の中心に、木棺で一人を埋葬した。周囲には、副葬品もあったそうだ |
東の外れにある3号墳〜6号墳。3号墳は、長さ21mの前方後円墳(元々は、円墳を作っていたが、途中で大王の象徴である前方後円墳を造る許可を大和朝廷から得たと考えられる) | 3号墳の頂部には、埋葬した穴の跡の写真が、実物大の陶板に表示されている。長い太刀が副葬されていた。 |
B地区には、7号墳から11号墳が残されているが、最小限の調査に留めて、そのままで保存されている。
伊豆では、長岡の小坂に駒形古墳という前方後円墳(古墳時代後期)があるそうだ。
- ひょうたん山古墳
続いて養徳寺墓地の裏山(ひょうたん山)の発掘調査現場で、日本の古墳研究の権威とされる先生から、発掘状況の説明を受けた。現在の所、断定できないが、全長90mほどの前方後円墳らしい。確認できれば、伊豆では最大の前方後円墳の発見となる。後円部の頂部には、後の時代の経塚らしいものが盛り土の上に作られている。この下辺りに、埋葬されているのだろう。 | 後円部から、前方部を見下ろす。後円部は、畑の開墾でだいぶ削られて変形しているようだが、前方部はほぼそのままで保存されている。(前方部は後円部に比べて低く、こちらで祭事を行った?) |
今回の発掘では、古墳の大きさを推定するために、古墳の周囲6箇所のトレンチを掘り、地山を見つけて、その傾斜から原形を推測している段階。トレンチの中からは、土器などの副葬品は見つかっていない。敷き詰められていたと思われる石ころが見つかったが、位置は動いているようだ | 出土した葺石 |
トレンチから、47kaの三島パミスが見つかった。古墳以前の堆積なので地山の手がかりとなる。 | 三島パミスの地山 |
古墳中心の玄室の発掘は、次回以降となる見込み。予算がついて、重要な発見がされることが望まれる。