牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

富士市の凡夫川 巡検

墓参りのついでに、凡夫川(潤井川の支流)の露頭を巡検した。凡夫川周辺には、約1万年前に流下した大渕溶岩流とその後の入山瀬溶岩流が、扇状地堆積物に覆われていたが、凡夫川により深く浸食されたために露頭している。上流には、大坂溶岩流や曽比奈溶岩流なども露頭している場所があるようだ。

  • 龍厳淵

潤井川まで到達した入山瀬溶岩の先端を潤井川が浸食してできた淵は、龍厳橋の下流にある。潤井川の右岸は古富士泥流が富士川断層の活動で隆起したが、露頭は見当たらない橋の上流に露頭する入山瀬溶岩


入山瀬溶岩は、粘性の高い青黒い緻密な玄武岩

凡夫川の周辺は住宅地・工場が多く、露頭へのアプローチを探すのが大変

  • 曽我寺周辺

仇討ちで有名な曽我兄弟の墓所がある曽我寺(神社)五輪塔が二基(古いものと新しいもの)今でも、崇敬されている


凡夫川に降りると、大渕溶岩が川床に広がる。溶岩流はいくつもの層となって流下したので、積層している様子が分かる


縄状溶岩も少し見える大渕溶岩流は、約1万年前に流れてきた粘性の低い玄武岩。大きな気泡と斜長石の斑晶が特徴


凡夫川の水流が浸食した小滝




  • 榎木沢橋北

榎木沢橋の上流の川床には、大渕溶岩流が広がる西側の崖は、入山瀬溶岩の東の端で、節理面が見える。下部の入山瀬溶岩流との境界が見える珍しい場所である


入山瀬溶岩のパホイホイに残る縄状模様崖が入山瀬溶岩(気泡が無く緻密)で、川床が大渕溶岩(気泡が大きく、斑晶が大きい)。入山瀬溶岩流のほうが大渕溶岩流より後に流下したことが分かる。




  • 釈迦堂付近

村山登山道の脇に建つ釈迦堂内の釈迦如来像他凡夫川近くの林の中には二基の双体道祖神が祀られている


凡夫川の川床に広がる大渕溶岩流大きな気泡と斜長石の斑晶




  • 精進川の小滝

巡検が終わるころに、富士山が顔を見せてきたので、柚野の精進川まで再ロケハンのつもりで大きく寄り道。既に日は沈んでしまったが、富士山が一瞬だけ見えた。この後は黒い雲に隠れてしまった。(スローシャッター30秒)

北山IC〜大石寺側からの方がアクセスが簡単。撮影場所に降りたつには、長靴があると良い。満月前後でないと滝は浮かび上がらないだろう。滝のしぶきがレンズにかかるので拭くこと

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