牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

花見&ジオツアー三島

静岡県地学会東部支部のジオツアーに参加して、三島市東部の丘陵部を歩きました。暖かな春の一日、お花見しながらの巡検となりました。

オオヤマザクラが予想に反して既に満開・見頃、風も無く絶妙のタイミングでした。樹齢200年もの大木だが、樹勢は良い


菊のご紋が入った石灯籠は、寛永寺にあった徳川家のものを譲り受けたもの(全国に散らばっているそうです)境内に続く石畳は、箱根火山のひとつの海の平火山体の溶岩流を板状に割った石を使用



  • 海の平火山体の溶岩流

この地域は、湯河原火山体(約35万年前)を海の平火山体(約27万年前)が覆い、その上に箱根軽石火砕流(約6万5千年前)が覆う。谷田石の採石場跡には海の平火山体が露頭。板状に割れる谷田石は石碑等に利用された縦貫道工事用の仮設橋が撤去され跡に露出した大きな柱状節理も海の平火山体からの溶岩流と考えられる


夏梅木川には、夏梅木川に浸食されて残った屏風岩と呼ばれる太い柱状節理が露頭する安山岩質溶岩の節理の透き間からは湧水が出ている


かつて竹倉地区などの箱根西麓は馬の放牧が行われる牧であった。戦争中には軍馬として徴用されたが、一匹も戻らなかった。出征馬供養塔も谷田石(ヘンコ石とも)が使われている東海道線近くの露頭では、箱根軽石火砕流の上に、谷底堆積層が覆う??



  • 古墳群

箱根西麓の丘陵地帯には、縄文から古墳時代にかけての遺跡が多く見つかっているが、夏梅木・向山地域にはそれらの集落の族長などの古墳が残る。

夏梅木6号墳は直径14mの周壕がめぐらされた横穴式の円墳内部は、ヘンコ石が使われている


向山古墳群は公園として整備されている向山古墳16号墳は箱根軽石火砕流の末端部に造られた全長70mの前方後円墳(4世紀初頭と、伊豆では一番古い。まだ発掘調査されていないので、お宝が見つかるかも)



  • その他

向山古墳群近くには、箱根軽石火砕流の堆積層が露頭(安山岩質の軽石で珪酸質が高いので、白く軽い)富士山の最大と言われる溶岩樹型(溶岩流の上を転がった大木に溶岩が巻き付いてできた。三島ではなくて、富士宮・上井出産)


医王寺の山門は、樋口本陣の南門を移築した天泊神社には、大場川拡幅工事で見つかった神代楠の一部が保存されている



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