静岡県地学会東部支部主催のジオツアーに参加して、大勢のジオ仲間と伊東エリアをバスで巡検しました。狭く急な道を運転してくれたドライバーさんに感謝です。
全行程、知り合いのネーチャーガイドの方に丁寧に案内してもらいました。
- 小室山(14.5ka)
真夏日を思い起こさせる暑い日差しの中、リフトで山頂まで。中央の丘陵は新井山で、白浜層群に属する海底火山。手石島の手前には、与望島(地元では立島) | 北西には、単成火山の鉢ヶ窪火口群が見えている。平坦な尾根の上に顔を出す三角の山頂が大平山(宇佐美火山の尾根が残った) |
山頂直下の崖には、大室山火山(4ka)からのスコリア層と小室山のスコリア(下層)が重なっている。 | |
(間には約1万年の差があるので、ローム層があってもおかしくないが、流されてしまったと考えるとのこと) |
- 丸塚公園
吉田盆地は、小室山の噴火で作られた池だった土地。小室山と大室山のスコリア層に挟まれたローム層の下部から、古墳時代?のジンジ山遺跡が見つかったが、今では埋め戻された。
上層が大室山のスコリア | といっても、境目すら分からない |
- 鉢ヶ窪火口(21ka)
一番期待していた第一水源の岩脈は、どたキャン。残念。
以前来た時に見つからなかったが、ガイドのおかげで鉢ヶ窪火山の火口に降り立つことができました。 | 火口壁には、小さな火山弾がたくさん落ちています |
火口には水たまりができていて、モリアオガエルの卵が樹上にあります | |
- 大平山小川沢の化石湖
個人的な巡検予定に入っていた小川沢。今日行ってみて、化石湖を探すのは、容易でないことが分かりました。
陸上火山の大平山が土石流で崩壊した崖に、鉢ヶ窪火山群からのスコリアが堆積しています | 小川沢の対岸にも同様にスコリア層が露頭 |
化石湖といっても、化石が出る湖ではありません。大平山の土石流でせき止められた川が湖沼となり、水中に堆積したシルト層に年縞が観られます。 | 赤と白の縞模様一枚が一年に相当(ズームで) |
道路沿いでも年縞が見られます。下見してくれたおかげですね。 | 堰堤の下の露頭にも年縞が見えるというが!?その上層に、鉢ヶ窪火山群のスコリアが覆う |
特別に年縞のサンプルを見せてもらいました。 | |
夏には珪藻質のプランクトンの死骸が堆積して白い色の層となり、冬は粘土鉱物が堆積することにより赤色の層が水底に積みあがっていく。この白と赤のバーコード状の縞模様が1つの組み合わせで1年を表していることになる。 |