牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

南伊豆の仏像鑑賞ツアー

美術館のガイド9名で、南伊豆に点在する慶派の仏像をいくつか鑑賞してきました。人知れずに取り残されたような仏様たちですが、素晴らしいものばかりで心が洗われました。また、多くのことを勉強できました。仏様に感謝した一日でした。

松崎町の吉田区にある吉田寺(きちでんじ)にあった重文の阿弥陀如来三尊像と毘沙門天立像は現在上原仏教美術館が預かっていて、毎年正月に公開展示されている。貴重な仏像について、田島先生から懇切丁寧な解説を頂き、質問攻めにして楽しい時間を過ごすことが出来、新たな知識をたくさん得ることができました。いつもありがとうございます。
阿弥陀三尊像(県指定文化財)は鎌倉時代、慶派の仏師によって作られた本像は、平成になって修理が行われ、造像当時の姿が甦りました。地蔵菩薩観音菩薩を配する特殊な三尊形式の仏像群です。(撮影禁止)

特別に仏像の寄せ木構造模型も見せてもらいました。隣接する下田ダルマ大師の庭に集められた、役目を終えたダルマさんたち。多くの人の願望をかなえられたのですね





手石に近い青野川沿いにある正善寺の本堂内で拝観できる。
大日如来と伝えられるが、胎蔵界金剛界大日如来のどちらの印相でもない、不思議な印相をしている。手はおそらく後補とのこと。
玉眼・写実性・衣の柔らかさなどから、鎌倉初期の慶派の作風。
像面は近年の修理による処理がされている。県文化財・半丈六(但し古い尺:20cm)による・ヒノキ・寄木造


田牛の長谷寺(ちょうこくじ)の御本尊が、阿弥陀如来坐像。
伝説によれば、治承4年に遠国島の岳浦に漂着したものを、天文14年に寺に迎えたという。
細身ながら、誇張の少ない姿、低く扁平な感じのする膝、細かい螺髪、小さな口唇などから、平安後期の作と推定される。
国指定重文・ヒノキ・86cm・寄せ木造り
正面から見るとえらが張ったように見えるが、横顔がすごく良い。
両脇侍はどの菩薩か不明


下田駅に近い稲田寺(とうでんじ)の阿弥陀堂に、丈六(1尺20cm)の阿弥陀如来坐像が、膝立ちの勢至菩薩観音菩薩を従えている。境内には、安政東海地震による大津波の犠牲になった人たちを供養する津なみ塚が建てられている
近世の補修も見られるが、丸顔の穏やかな面相やゆるやかな肉どりは定朝様式の典型的な作風。像高208cm・ヒノキ・寄木造
後世の作と思われる両菩薩を従え、三尊像形式となっている





蓮台寺にある天神社の境内に建つ博物館に、大日如来坐像と四天王像が、ガラス越しに拝観できる。
印相は智拳印で、金剛界大日如来となる。無理のない穏やかで整った造形から、平安風に見えるが、高い髷は鎌倉時代に流行したもの
115cm・ヒノキ・寄木造・国指定重文


天城越えのチェーン規制は解除されていて、凍結もありませんでした。
青野川の菜の花畑はまだ揃っていません)

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