牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

ジオツアー 三島2

静岡県地学会・東部支部主催のジオツアー三島2に参加しました。増島先生を始め、一緒に回った講師陣の説明を聞きながら、楽寿園から三島市内、柿田川公園などのジオサイトや石造物を観察して回りました。

三島市内に露頭しているのは、約1万年前の新富士火山の溶岩で、それより古いものは露頭していない。(三島溶岩洞穴はほとんど埋められているが、観察できる可能性も残されているようだ)


郷土資料館の前に無造作に置かれていた石製の民具にも、伊豆半島原産の岩石が利用されている。これは大井の凝灰角礫岩でできた囲炉裏らしい。
こちらは、長岡凝灰岩でできた護摩を焚いた石炉


市内には、古い石造物が多い。三十三観音は、長岡の凝灰岩製だが、林光寺には色々な石造物があり、ワンストップで色々と見れる。
木町観音堂三十三観音には、長岡凝灰岩の上部層と下部層及び安山岩が使われている。


2900年前に富士山の東斜面が大崩壊して、山麓に堆積した土砂は数百年にわたって土石流となり、溶岩の上に堆積した。清住公園の東側の民家の崖に、土石流の堆積が露頭している。


湧き間に踊る白いものは、カワゴ平火山から噴出した軽石(パミスと呼ばれる)で、溶岩の隙間を流れてきた地下水が、末端部で地上に湧出する時に、カワゴ平パミス層を通過してくるので、軽石が混じっているとのこと。


  • 土蔵に使われる凝灰角礫岩

旧東海道沿いの民家の土蔵に、大井の凝灰角礫岩がきれいに使われている。断面に斜交層理も見られる。
その他、街道沿いの石塀にも凝灰角礫岩が残されている。


  • 玉井寺の石造物

玉井寺には、旧東海道の一里塚が残されているが、白隠揮毫の石塔や墓石などの石造物が見られる。ふたつのお宮は、長岡凝灰岩の上部層と下部層の岩石が使い分けられている。


  • 沼津アルプスと呼ばれる静浦山塊は1000万年前の海底火山であるが、火山灰や火山礫が海底で堆積して、次のような凝灰岩を産出して、江戸時代から大正にかけて、三島市内等の石造物(石仏、石塔、墓石、石灯籠、敷石、礎石、石塀、石倉、民具)に使われた。時代が古い石造物には気泡のある三島溶岩が使われていることから、凝灰岩はその頃の新建材というところか。
    1. 大井(大平) 凝灰角礫岩層
    2. 長岡 凝灰岩層
    3. 江の浦 白色凝灰岩層
    4. 日守 凝灰岩層

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