牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

野外実習:沼津・三島エリア

残暑きびしい一日、野外実習に参加。(誤記注意:レポートへの複製は、自己責任で ^^;)

三島は街中にジオサイトがあるというか、ジオサイトの上に町がある。【新幹線を降りたらそこはジオサイト】なんてキャッチはどうか?
三島の町は、1万年前の新富士山火山の溶岩が流れ下った南端に位置する。その上に、2900年前の富士山の東斜面で発生した御殿場岩なだれによる土石流も流れ着いたという。溶岩流が富士山から遠く三島まで流れてこれたのは、最初の溶岩流が冷えて固まるが、その下を更に次の熱い溶岩流が流れることで冷えにくくなり、次々と遠くまで熱い溶岩流が流れ下るとのこと。市内のあちこちに溶岩流の断面があり、スキマを流れてきた富士山の地下水が、小浜池等で湧き出している。
楽寿園内には、溶岩が冷えて固まるときにシワシワができる縄状溶岩(下の写真左)や餅が重なったような餅状溶岩(写真右)、溶岩ドームなどを見ることができる。



溶岩の表面の滑らかさから、パホイホイ(表面が平滑)やアア溶岩(とげとげ)とハワイ語で区別される。
また、溶岩流の表側には気泡も入ることがある。その気泡が冷えて固まるときに、流されて球状がひしゃげるそうだ。


富士山からの湧水量は、季節変動が見られる。夏などの融雪期には降水も含めて地下へ水がふんだんに供給され、圧力が強くなるので湧水量が増える。積雪時は地下水への供給が少ないので、地下水を押す力が弱く、湧水量は減少する。ちなみに地下水の地表下での滞留時間は、4〜30年と色々の説がある。
ジオには全く関係ないが、写真の師匠から、花の撮影の指導を受けた。白滝公園の湧水近くに咲いていたヒガンバナの一部を切り取る。(まだ切り取り方が足りなかった)


三島溶岩の湧水の中で最大で、国道1号線の真下の崖下で忽然と湧き出して、1Km下流狩野川と合流する。湧き間に舞っている白い軽石は、なんと3200年前のカワゴ平火山のテフラ。


  • 牛臥山

牛臥山の岩石は、海底火山の溶岩ドームで流紋岩が主体。

近くの沼津アルプスや淡島は同時代の海底火山の根

  • 口野 石帳場


海底火山からの軽石や火山灰が凝灰岩となり、伊豆石の石材として切り出された。一面にノミの跡

口野放水路横のトンネルができるまでは、凝灰岩を切り開いて長岡と沼津の間の交通としていた。その切通しはもろくて落石の恐れがあるので今では通行止めとなっているが、特別に入らせてもらった。地層が何層にも厚く分布している中に、斜交層理が見られる。
このように暗い所での撮影はまだ無理みたい。三脚とレリーズを持って再チャレンジだ。

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