牛歩的写真中心網録”

伊豆半島ジオパークと道祖神を中心にアウトドア活動を、写真で記録しています

野外実習:中伊豆北エリア

台風一過の夏日に、野外実習に参加。今月は4回連続して参加予定。なでしこジャパンのように、連戦だけどガンバロウ。

今回は見どころがたくさんなので、写真も多いよ。

  • 日向: 湯ヶ島層群(1500〜1000万年前)

海底火山の火山灰の乱泥流の地層が、狩野川対岸の崖として露頭。北側が隆起して水平であった層理が約45°傾く。礫層の泥成分は浸食されて、砂岩成分は残るので、一枚の地層(タービタイト)となり、それが幾層にも重なり、縞々が見える。
[:W360:right]



  • 旭滝: 火山の根が冷えて固まると柱状節理となることがある。ここでは、柱状節理の断面が断ち切られてこちらを向いている崖の上を落ちる滝になった。(どうして、断面が横を向いているのかは聞かないで)

台風の雨でいつもより水量が多くて、ダイナミック。



  • 下白岩:湯ヶ島層群(1100万年前)

石灰質砂岩が露頭して、県の天然記念物に指定されている。有孔虫やサメの歯などが見つかって、近くの郷土資料館にも展示されている。天然記念物に触れることはできないが、雨で崩れて道路に落ちてきた土砂の中から、有孔虫の化石がたくさん見つかって、お土産にした。この道路の更に上の神社付近他でももっと化石が見つかるとのこと。次回は、資料館で見る目を付けてから探しに行こう。



ちなみに、資料館の説明員のおじさんは親切だし、展示品は見るべき価値があり。ぜひ、ゆっくりと再訪したい。

  • 梅木: 熱海層群下部(100万年前)の最後の海に土砂が溜まって、その後隆起

林道脇の崖を降りた沢の対岸に横山シルト岩(砂に近い泥が半分固まって岩に)が露頭。岩のように固いが、足で踏むと砕けて、泥のようになる。泥パックによさそうなので、ジオパックとして売り出そうとのアイデアもあり。(誰か試してみては)



  • 白鳥山: 1000万年前の浅い海での海底火山である葛城山、大仁の城山、小室山、白鳥山などの本体はこれらの火山の直下で冷え固まったマグマの通り道が、後の浸食によって周囲の噴出物が洗い出されて残った火山の根とのこと。白鳥山と小室山(城山の南側の小さな山)には、この根が冷える過程で、柱状節理となって露頭している。柱状節理は冷えた部分から成長するので、柱の方向が冷えた方向の六角柱となる。

本日のハイライトで、一同大感激。この景観を写真で表現するには十年早い。





普段は採石場のため立ち入り禁止だが、特別に作業を中止して立ち入らせてもらった。切り出した六角柱を展示。グループで予約すれば、離れての見学は可能とのこと。小室山の採石場は休止しているので、立ち入りはできるが、草が生えていて柱状節理が良く見えるか?
尚、城山と小室山の間の採石場は、凝灰岩で噴出した火山灰が固まったもの。

  • 田原野: 箱根火山からのテフラ群

田原野には13万年前に噴火した火山列(高塚山−長者が原マール−巣雲山)があり、サイトの周辺には長者が原からの火山灰が厚くたまっている。その上に、箱根火山の噴火(12万8千年前〜5万2千年前)によるテフラがローム層とサンドイッチ状に9層を成している。各層の年代を特定するには特別の知識と経験が無いと不可能。
尚、これらの地層の深部には、暑いローム層と多賀火山が層をなしているとのこと。実に80万年分の地層。
テフラとは、火山からの噴出物で、ガスと溶岩を除いた他の物すべてを言う。

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